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テクノロジーとメソドロジーの違い

  • 執筆者の写真: Kosaku Toyoshima
    Kosaku Toyoshima
  • 2019年5月11日
  • 読了時間: 5分

更新日:2019年11月7日

道具と技術とアイデア


ホワイトカラーの会議屋稼業やってるとですね、ITツールを使う機会も多々あるんですが、(もはやレガシーですけど)「エクセルのショートカットキー」なんてのも使うことも結構あるわけですね。


手前味噌ですが、特にAltキーを使ったコマンド短縮技には多少心得もありまして、「別名でファイル名保存」とか「ウィンドウ枠固定」とか、いちいちタブ上をカーソルで探すことなく、GUIを使わずに(ドヤ顔する暇もないほどに)2秒以内にコマンド入力するわけですけど、こういうのを目の当たりにした人から


「そんなん、小手先の技ばっか磨いてもしょうがないっしょ笑、もっと本質的な非認知スキル(爆笑)とか磨いたら?笑」


って、小馬鹿されることがたまにあるんですね笑


「いやいや、PCの使い方やITツールを使い慣れるのって、例えていうなら、シェフが調理器具にこだわったり、使い方を工夫するのと同じでしょ!もはやITツールがホワイトカラーにとっての『道具』なんだから、それを愛で、磨き、時には油をさしたりするように上手く動く創意工夫を忘れないのは仕事人としての責務でしょ」


って、言わないですけどね、心の中でアホかこいつ、と思うだけで。


いっぽうで、世の中には「エクセル早技で業務効率化」とかそこら中にありますが、こういったスキルって


「ITテクノロジーの活用」


って文脈が語られることも多くて、うーん、なんか違うよなぁ、、と思っていたわけです。

なんでしっくりこないのか?というのを考えておりましたら、ふと以下の構図を思いつきまして、

テクノロジー、ニアリーイコール、科学技術なので、それ自体で何かを生み出すことはなく、根底には、「メソドロジー」つまり方法論があるのでは?と考えています。

メソドロジーは、「方法論」もしくは「巧術論」と訳されますが、テクノロジーを活用するためのOSの様な位置付けにあたると思います。


さて、テクノロジーから生み出されるものは、プロダクト、ないしクラフトですが、これらを生み出すために、ツールやスキルがここに位置付けられます。

ここで「はた」と気づいたのですが、自分の場合、仕事では直接「製品としてのプロダクト」を作っているわけではなく、コンセプトを形にするまでの仕事も多いのです。


そうなると、そのコンセプトをイラストに起こす上で、ソフトウェアという「テクノロジー」の力をツール借りて「電子ファイルのイラストというプロダクト」を生成している側面は確かにあれど、イメージとしては「メソドロジー」に寄った側からコンセプトが出てきているようにも思います。

絵にするとこういう構図ですが、やっぱり世の中、目に見える形での成果(プロダクト)が求められがちだと思うのですが(だってわかりやすいし)、こうやって見ると、コンセプトとプロダクトの関係性ってやっぱ重要ですよ。対応関係的にはコンテンツとプロセスというか。


(こう考えると、プログラミングみたいなテクノロジースキルと、コンセプチュアルなスキルを併せ持つ人がやっぱり最強だよなぁ、、とも思います。)


いくら素晴らしいテクノロジーとスキル・ツールでプロダクトを生み出したとしても、コンセプトに立脚したプロダクトでないと魂が籠もっていない、というか、、まあそんな感じです。


良いコンセプトを生み出すには、やっぱり相応の方法論が必要、というか、学校行って勉強したり、とか、師匠について型を習得したり、というのもメソドロジーの領域なのだと思います。


最初の話からだいぶ脱線した気もしますが笑、この構図で見たときに


「ホワイトカラーの仕事って、要は人への関わり方っていう、プロセスに関わる部分が大事じゃない?ならなんで最新のITツールに精通したりする必要があんのよ?」


って疑問に対するアンサーですね。それは、


人との関わりあいにも様々なプロダクトが介在する昨今、喩え手書きのスケッチでも、コンセプトを伝えられるのが本質、とは言え、プロダクトとコンセプトの関係性は切り離せないんで、より良いプロダクト(ここでは、パワポ資料やドキュメントみたいなものも含みます)を作るためのテクノロジーやツール、スキルにも自覚的でいましょうよ、って話です。


※例えば昔ながらの手仕事職人芸みたいな、レガシーなテクノロジーとツールで良いプロダクトを生む例も確かにあると思います。ですけど、アナログな楽器すらCNCで作ってる時代ですからね!喩え分かり辛!


ここから話をさらに脱線させますと笑


プロダクトやコンセプトの源流を辿ると、そこには「アイデア」があると思いますが、人がテクノロジーをコントロールする以上、必ず「メソドロジー」という思考様式の経路から入ると思います。


そして、その「アイデア」が何から生まれるかというと、それは「イデオロギー」です笑。

やっぱり人は宗教的、政治的な思考様式からは抜け出せないって話ですね。


裏を返せば、自分が作り出したプロダクトやコンセプトが自分のイデオロギー形成の再生産材料となるので、コンセプトばっかり作ってても、元からあるイデオロギー肥大化させるだけのクローズド・ループになっちゃうので笑、もしイデオロギーを何かしら変えたくば、コンセプトばかりを生産するのでは無しにですね、たまにはプロダクトを作ったり、いろんなプロダクトに触れて、ちょっとだけ開放系のループに入りましょう、という話でした。


ではまた!


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