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ファンク・アンビエントのクロスモーダリティ -OSAWA BIRDWATCHERZ 10周年イベントに向けて- その6(最終回)

  • 執筆者の写真: Kosaku Toyoshima
    Kosaku Toyoshima
  • 2018年11月2日
  • 読了時間: 5分

更新日:2019年11月8日

それでは皆様、11月4日、最高の日曜の夜にお会いしましょう



この連載、初めた当初はイベント当日までに無事着地できんのか?と見切り発車で進めて参りましたがいよいよ最終回です。


第三期・現レギュラーメンバーによる2016年の夏合宿後、まずブチ上げたのはDJ大塚広子さんをゲストに据えたソウルマターズのイベントです。


このときの縁で、なんと野鳥の楽曲が、大塚広子さんのコンピレーション・アルバム、PIECE THE NEXT JAPAN BREEZEに収録されます。


これ、ジャケットにある、収録アーティストの文字読むだけでも身震いしますけど、


分かる人には分かると思いますが、錚々たるメンツの中、4番打者、つまりデジタルストアの発展により楽曲がアルバムという単位から開放され続ける中、コンピレーション・アルバムはその楽曲の並び順にのみ文脈が生まれうる、という意味において素晴らしいポジショニングなんですよ。


今、アルバムを通しで聴く方どれくらい居るかわかりませんが、4曲目というと例えばニルヴァーナのイン・ユーテロならレイプ・ミー、マイルスのカインド・オブ・ブルーならオールブルース、レディオヘッドのOKコンピューターならエグジットミュージック、


これらのアルバムお持ちなら、ぜひ各アルバム通しで聴いてみて頂けると、ワタクシが単に4曲目であることを無理やりこじつけようとしてるワケではないことがご理解いただけると思うんですが笑、


それ言い出すなら、別に5曲目以降だろうが、どの位置だろうが意味は見いだせるよ、というのはそうなんですけど、楽曲単独のキャラクタリスティックとその前後の文脈がどうつながるか、という点でこの上無い位置だったんですよ。


なんで、ワタクシはしゃいでますけど笑、このアルバムで面識ない大物と同列にクレジットされた!ってのが本質ではなくて、この並び順を見出した大塚広子さんの腕にただただ感服!という話です。


このアルバムがリリースされたのは、2016年の年末ですが、これに勢いづいた野鳥は、Shibuya THE ROOMのご厚意で、初の自主企画イベントを開催するチャンスに恵まれることとなります。

このフライヤー、実は実験的にロゴでありマスコットキャラでもある鳥のとある問答をプリントしてて、当時全く反応がなかったんですが笑、


(手前味噌ですけど)野鳥の世界観をうまく言い表せていると思うので再掲します。


ある旅人とサセーヌの問答
旅人「大沢野鳥の会では、とにかくやたらディレイのエフェクトを多用していますよね。あれにはどんな意図があるんでしょうか?」
サセーヌ「大げさに言えば、あの世というか、霊界みたいな世界をこの現実と重ねて表現したいわけです。音というものは生み出された瞬間すぐ死ぬ。でもディレイを使えば、その死んだ音の亡霊をリフレインさせることができる。音の屍を次々重ねていきながら、同時に新しい音が生まれていく。現実の世界にあたかも死の世界がダブって見えてくる
そうした、生と死が渾然一体となったような世界観を表現したい、と思っているわけです。」
旅人「そんな壮大な構想があったわけですね。でも、ダブ・ステップとは何が違うんでしょう?」
サセーヌ「あれももしかしたら似たようなことかもしれません。ただ日本には、デブ・ステップ(相撲)という国技がありますので、何か違うやり方で表現する必要は感じていました。」
旅人「ファンクとアンビエントの融合、というのがコンセプトかと思っていました。」
サセーヌ「もちろんそれもあります。ファンクとアンビエント、生と死、共通して言えるのは、全く異なるように見える世界を行ったり来たりすること、生と死の中間とでも言いましょうか、チベット生と死の書ではそれをバルドゥ、と言ったりもしていますが。そういうことです。」
旅人「そうすると、あのボーカルと言ったら良いのか、人の声にエフェクターをかけまくっているのも、機械と人の融合ということなんでしょうか?」
サセーヌ「いや、あれは単に変な音出したいだけです。」
旅人「どうもありがとうございました。また、お話を聞かせてください。」

初の自主企画イベント以降、2017年はライブの年間開催頻度が過去最多となり、そのバイブスを抱えたまま2018年に突入、やっと現在に話がつながります。


2018年は、以前このブログでもレポートした2018夏合宿を経て、3rdアルバムの制作とそれからヌード写真家、comuramai氏によるアー写など、過去10年の活動を経て何かのティッピング・ポイントを超えたのか、怒涛のコンテンツ制作の日々を駆け抜けました。

2018夏合宿の集合写真

アー写制作でアート・ディレクション中のcomuramai氏

完成したアー写

3rd Album "In the Flesh" ※画像クリックで視聴できます

というわけで、ある意味時代錯誤なこのブログコンテンツ、ここまでお読みいただいた方、誠にありがとうございます。


これまでの野鳥の歩み、ワタクシ個人の、極めて断片的かつ、曖昧模糊な伝え方しかできませんでしたが、もしほんの少しでも、野鳥に対する興味を深めて頂けたとしたらこの上ないシアワセです。


この10年「ファンクとアンビエントの融合による新時代のグルーヴ」を追求してきた野鳥、もちろん自らに課した


「ファンクとアンビエントの融合」


は道半ばではありますが、来年、元号変わりますからね、


これから10年は新時代のグルーヴではなく、異次元グルーヴもしくはクロスモーダルグルーヴか?


なんてことを先走って考えたりもしていますが、10周年イベントはこれまでの活動の集大成でもあり、間違いなく過去最高に状態良く仕上がったバンドと、Tojoさんはじめ素晴らしいゲストDJの彩りも加えたライブパフォーマンスをお届けできると思っております。


これまでご縁のあった方、それから、ご縁がなくとも何かのキッカケで野鳥や11.4のイベントに興味もって頂いた方、一人でも多くの皆様と、最高の日曜の夜にお会いできることを楽しみにしております。


では!



遍く人に、NUMBOUTDUB EXPERIENCEを、

豊島 考作


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