消費と生産の区別は、極論つきません
- Kosaku Toyoshima
- 2018年9月20日
- 読了時間: 5分
更新日:2019年11月4日
鉄道好きな息子がよく、お気に入りのyoutuberの動画を良く見てるんですけどね、すごい経済効果ですよ。流れで鉄道とは関係のない、公園を散歩してる動画を見て、それに影響されて川口グリーンセンター行きましたもん。いや、素晴らしい公園でした。
「好きを仕事に」とか良く言われますけどね、私含め、今の30代は「やるべきコトをやってから、好きなことをやれ」とか言われるの、常日頃と思いましたけど、この現実を見るにつれ、「やるべきコト」って一体なんなのよ。っていうね。
鉄道好きのyoutuberとか、「趣味が高じて」とか陳腐な言い方になっちゃいますけど、まあ普通の感覚からすると、鉄道模型を集めたりとか、いわゆる「消費」に分類されるじゃないですか。ただそれで生計が成り立つとなると、最早それは「生産」活動になってるわけで、何がどうなってそうなるのか、それを読み解いてみたいと思うわけです。
というわけで、今回はBMIAのジュニアコンサルタントらしく、ビジネスモデルキャンバス(BMC)を使って、この構造を見ていきたいと思います。
(ビジネスモデルキャンバスって何?って方は、まあ検索すれば腐るほど解説とか出てくると思うんで、そちらご参照ください。ちなみにBMIAが開催している講座を受けるのが近道ですよ)

こちらのフォームに書き込んでいきますが、今回の題材は
「あんた、そんなゲームばっかしやっててバカになるよ!」
ということで、「中高生向け、ゲームやってて生活できんの?」ってのがテーマです笑。
さて、いきなりイレギュラーな使い方ですが、CS カスタマーセグメントに「自分」を持ってきます。

これ、文献をあたっても、CSを自分にしている例ってあんまりなかったんですが、、
自家消費型アーティストの記事でも触れましたが、「好きを仕事に」って起点としては「自分のため」にやっているわけであって、まあ、このゲームも、要は「自分がやりたいからやってる」わけですよね。
というわけで、自分のために自分は一体何をしているのか?というのを構造化するために、まずCSに自分を持ってきます。

KA キーアクティビティと、KR キーリソースは、TVゲームやる、ってのとゲーム機、これはなんてことないです。

じゃあ一体何のためにTVゲームやってるか、っていうと、ここは後でも触れますが、諸説あれど、「快感を得る、達成感を得る」ってのが一つあると思います。まあ、ドーパミン出すため、でも良いですけど。

CH チャネルはリビングルーム、KP キーパートナーには、まあお金を出してくれるご両親とか、ゲームの進捗を語り合うゲーム仲間ですかね。

C$ コストの部分は、ゲームをするために使う時間、また、ゲームソフトを買うのに必要なお小遣いが入ります。

さて、ここからコントラヴァーシャルな所ではありますが、
R$ レベニュー、つまりゲームをやった結果として何を得るのか?ってところです。
「快感・達成感」をここに入れることも出来ると思います。(その場合は、VP バリュープロポジションには、「より知人に自慢できるような難易度の高いゲーム体験」とかに変わります。)
ただ、漫然とゲームをやっている人と、例えばyoutuberやプロゲーマーとして生計を立てている人の違いはなんぞや?って話です。
それを解釈するために、ここではR$ レベニューとして「ゲーム攻略のノウハウ」というのを入れてみました。
ここがポイントですが、このレベニューが溜まってくると、これがKR キーリソースに移動します。

こうなると、BMCは全く異なるモノになります。

たとえば、ゲーム攻略に悩める人に、ブログを通じてストレスのないゲーム体験を提供する
ですかね。
こうなってくると、「自分ではない、他社に対して価値を提供する」ことになるので、必然的に対価も外部から得られることになってきます。
先の、漫然とゲームをやっている人と、例えばyoutuberやプロゲーマーとして生計を立てている人の違いはなんぞや?ですが、一つにはこのBMCを動的にどう更新しているか?にあると思っています。
ただ、ここまでお読みになって、「後解釈は良いんだよ!どうやったらそれが出来るか教えろってんだ!」と思ってる方もいると思いますが笑、
私は個人的には、レベニューをキーリソースに移動するためのヒントは、
記録と内省(振り返り)
にあると思っています。(たぶん計画は重要じゃないです。だってもともと根源的な欲求で始めてるので、、衝動性以外に計画性はないですよきっと)
トミカコレクターが、ちまちまと集めた車のデータをノートにメモしてて、後々それが価値が出てくる、なんて話はイメージしやすいですが、この記録を取ることってのが結構重要だなぁ、、と思います。内省するにもそれがないとやりにくいですしね。
あとは、当たり前ですけど、「何を得たいか」の目標設定ですかね。これがあるとやっぱり、記録に残そうって原動力にもなるので、このあたりが上手く回ってくると、「好きを仕事に」なんてのももう少し地に足のついた考えが出来るようにも思います。
ここまで読んで興味持たれた方は、ぜひ、BMIA主催の講座を受けてみてはいかがでしょうか。
遍く人に、NUMBOUTDUB EXPERIENCEを、
豊島 考作
*余談
この記事書きながらふと思い出したんですが、昔は自分も「芸術活動は生産的だろ?ゲームやるとか単なる消費じゃん笑」とか高尚ぶって要はまあ、イキがってたわけですよ。ところが世の中に生み出した価値で見ると、たとえば自分が過去20年くらいの音楽活動で生み出した経済的価値と、例えばある成功したyoutuberのそれはまあ、雲泥の差なわけです。
そうなると、(現時点ではありますが)マクロで見るとどちらが「消費」活動なのかは言うまでもなく前者で、その違いが何に起因しているのかを読み解いてみたいと思ったのが発端です。
正直申し上げて、会社員になってからもしばらくは「あいつらは合コンで消費活動ばかりしている、俺は楽器の鍛錬に勤しんでいる、より有意義な過ごし方をしているのは俺の方だ」なんて勘違いスノッブ野郎だったわけですが、この記事の構造で見ると、あいつら、彼らも合コンで得たアレコレを今ではキーリソースに転換して人生楽しくやってるかと思うと、まあ私の精神性の底の浅さが知れるわけですが笑、ようやく、そんな中二病的世界観から脱却できるような気持ちです笑
ま、いずれは自分の音楽活動もそれを上回る価値を生み出すと信じてやるより他ないですけどね!
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